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ダイエットと減量は違う?
ダイエットと減量。どちらもよく耳にする言葉ですが、実はこの2つには違いがあります。
一般的にダイエットは見た目を良くするため、痩せるために体脂肪を減らしていくことを言います。健康のため、かっこいい、美しい身体になるために行うのがダイエットです。
一方の減量という言葉はどうでしょうか?減量とは書いて字の如く「体重の量を減らす」ことです。減量という言い方もダイエットの意味を込めて使われることがありますが、格闘技の減量というのはダイエットの意味の減量とは少し異なります。その大きな違いは見た目のカッコ良さや下げた体重の維持を目的としないことにあります。
ダイエット
かっこいい身体になりたい。健康のために体重を減らすようにお医者さんに言われた。結婚式でドレスを着るためにウエストを細くしたい。などなど目的は様々ですが、これら全てダイエットになります。
ダイエットの最終目標は痩せること
ダイエットの最終目標は体脂肪を減らして痩せることです。
そしてその体脂肪の落ちた良い身体の状態をキープすることでもあります。
ダイエットに必要なこと
ダイエットに必要なことは適切な運動と食事制限です。
食べないダイエットを行うと体重は減るかもしれませんが、栄養が足らずに筋肉が落ちてしまい、メリハリのないのっぺりとした身体になったり、代謝が落ちて逆に痩せにくく、太りやすくなったりしてしまいます。
ダイエットをする方の目標はそのほとんどが美しいボディライン(特にウエスト周り、お尻周り)を手に入れることであったり、シックスパックに割れた腹筋、胸板の厚い素敵な身体を手にれたりすることであったりします。そしてその状態をできるだけ長い時間キープすることにあります。
ダイエットに体重の一喜一憂は無意味
最初は体重に目が行きがちで、日々の体重の増減に一喜一憂します。しかし、素敵な身体を手に入れることと体重には全く関係がありません。
体脂肪が減ると体重は落ちます。体脂肪が増えると体重は増えます。当たり前のことですが、身体から何かが減ると体重は軽くなり、何かが増えると体重は増えます。
つまり、筋肉が増えると体重は増えますし、筋肉が減っても体重は減ります。
食べた物が重ければ体重は増えますし、食べたものが軽ければ体重は減ります。
そこにはカロリーも関係ありません。質量の軽いケーキ。それ自体の重さは200g。カロリーは500キロカロリーとしましょう。食べると単純計算で200g体重が増えます。(実際は消化吸収過程で変化しますが、その辺りのことはここでは省略します)
栄養は500キロカロリー身体に入ってきます。体重は200gしか増えませんが500キロカロリー身体に吸収され、その分数日後に体脂肪が身体についてしまうわけです。
しかし、山盛りサラダ1kg(100キロカロリー)を食べたとするとどうでしょうか?水分を多く含んだ野菜は重いです。食べると1kg体重が増えます。しかし、カロリーは野菜なので100キロカロリーしか身体には吸収されません。翌朝の体重は水分量で重くなっているかもしれませんが、カロリーは身体にたくさん入ってきたわけではないので、数日後も体脂肪が増えることはありません。
つまり、食べ物の重さだけでも体重は大きく変化しますし、その食べて増えた体重で体脂肪が増えたり、減ったりしているわけではないということです。
体脂肪を1kg減らすためには約7000キロカロリー身体からマイナスしなければなりません。成人男性2〜3日分の必要カロリーをマイナスにしなければならないわけなので、1日に体脂肪が1kg減るなんてことは簡単に起きることではありません。
こうして考えると日々の体重の変化に一喜一憂することはダイエットには大きな意味を持たず、かえってストレスになるだけかもしれません。体脂肪が少なく、筋肉量の多い人は見た目以上に体重は重いものです。体重を気にするよりも第1に見た目、第2に体脂肪率で痩せたかどうかを判断し、理想の身体を目指すのが良いでしょう。
ダイエットの敵はリバウンド
ダイエットにおいて1番の恐怖はリバウンドです。特に食べないダイエットをすると体重はすぐに減るかもしれませんが、食べるとすぐに戻ります。栄養が足りず、筋肉が減ってしまうので、後々代謝が落ち、今までと同じだけ食べても脂肪のつきやすい状態になるということは多々あります。
リバウンドしないためにもきちんと適切なもの(低カロリー、低脂肪、高タンパク)を食べながらしっかりと筋力トレーニングや有酸素運動を行なって少しずつ、着実に体脂肪を減らすようにしましょう。
ジムでトレーニングを行う時はまず、筋力トレーニングを行なって体脂肪を脂肪酸に分解し、血液中に遊離させます。その後、その脂肪酸をエネルギーとして使うように有酸素運動を行なっていくのが効率的でしょう。
キックボクシングは有酸素、無酸素を兼ね備えていますので、時間のない方は筋力トレーニングと有酸素運動を一度に行える時短トレーニングとしても良いと思います。

時間のある方は筋力トレーニングを行ってからキックボクシングをするとより良いでしょう!
体脂肪は普段動かないところにつきます。動かないところは血流も悪いので、体脂肪を脂肪酸に分解してもその脂肪酸がエネルギーとして運ばれにくいので、痩せにくいと考えられます。
お腹周りやお尻周りの脂肪がなかなかとれないのも納得がいきますね。最近の研究では脂肪が取れづらい部位も血流を上げる(しっかりと動かす)ことで部分痩せも見込める可能性があると考えられています。キックボクシングはウエストをしっかり動かし、キック動作はお尻や腿の裏側に、パンチ動作は背中の肩甲骨周りに刺激をもたらします。
きちんとした動きをトレーナーに教わり、効率よく身体を動かして体脂肪を減らして理想の身体を手に入れましょう!
減量
減量は試合に向けて格闘家が行う体重調整のことを指します。試合に出るために規定体重まで落とし、計量を通過することで試合に出ることができます。
減量の最終目標は計量をパスすること
格闘技の減量において重要なことは試合前の計量を通過することです。ダイエットのように見た目のかっこよさやウエストのくびれなどは関係がありません。規定体重さえクリアすれば見た目はどうでも良いのです。(勿論かっこいい見た目に越したことはないですが・・・)
なぜ減量をするのか?
試合に出るためになぜ減量が必要なのでしょうか?
そもそも普段の自分の体重で試合に出れば、減量をする必要ないのではないでしょうか?
しかしほとんどの選手は減量をして試合に挑みます。それは試合時の体重によって勝率が大きく変わるからです。体重制の競技に規定体重があるのは身体の大きさ、重さがアドバンテージになるからです。体重が重ければそれだけ相手に伝わる衝撃も大きくなりますし、逆に体重が軽い人の攻撃を受けてもびくともしません。ある程度の基準を設けることで危険性を下げ、公正な条件で競技を行うために階級、体重制限が存在するわけです。
しかし、同じ60kgの人でも体脂肪率の30%の体脂肪の多い人と体脂肪率5%で体脂肪が少なく、筋肉量の多い人が戦ったらどちらが有利でしょうか?
体脂肪は身体にとって重りになり、動きを悪くします。一方の筋肉は瞬発力を上げ、動きのパフォーマンスを上げてくれます。そう言った観点から考えると体脂肪が低く、筋肉質な60kgの人の方が勝率が高くなると考えられます。
そこで、試合に挑む格闘家たちはまずは食事制限で体脂肪を減らし、激しいトレーニングで筋肉量を増やします。つまり、まずはダイエットを行うわけです。
実は減量というのはこのダイエットの先にあるものなのです。
減量の味方はリバウンド
ダイエットと減量の1番の違いはリバウンドをするのが目的かどうかです。
言うまでもなく、ダイエットではリバウンドはしたくありませんよね。せっかく痩せたならその身体をキープしたいはずです。
しかし、試合のために減量した場合、前述したように格闘技においては身体の大きさ、重さというのはアドバンテージになります。つまり、計量さえクリアすれば体重が増えた状態で試合をした方が有利に働くのです。そのため、プロ選手は試合の前日が計量であるため、ダイエットで身体の余計な重りである体脂肪を絞り切った後、汗をかいて体重を数kg軽くする水抜き(ドライアウト)というテクニックを使います。
筋肉はたくさんの水分を含んだスポンジです。水分が多い状態の方が筋肉はよく動き、運動パフォーマンスが上がります。このたくさん含んだ水分を一時的に短期間で絞って、その水分量だけ体重を減らすことを水抜きと言います。計量の時は試合をする前日なので、筋肉の水分がなくなった状態で、パフォーマンスが悪くなっても関係ないのです。体重さえクリアすれば水を飲むと筋肉の水分は満たされ、翌日はパフォーマンスが戻り、且つ体重も抜いた水分が戻っているので重くなっています。こういったテクニックで試合を有利に進めるのも減量であり、一般的に痩せている選手も減量をするのはここに理由があります。
単純にダイエットをして60kgにした選手と前日に3kg水抜きをして60kgにした選手とで比較するとわかりやすいと思います。
2ヶ月頑張ってダイエットをして60kgにした選手
1ヶ月頑張って63kgまでダイエットをした後、1日で3kg水抜きをして60kgにした選手
どちらも計量は60kgでパスできますが、翌日の試合時の体重は異なります。
ダイエットで60kgにした選手→試合当日60kg
水抜きで3kg落とした選手→試合当日63kg
この3kgの差がアドバンテージとなりうるのでみんな水抜きを行なって減量(体重調整)をするのです。
アマチュアの試合では試合の当日に計量をしますが、これも当日何も食べずに測ったり、前日の食べるものの重さを質量の軽いもので過ごすなどして体重調整をする減量を行います。
中にはパフォーマンスに影響するのであまりお勧めはしませんが、試合当日の朝に半身浴などで1〜2kgほど水抜きをして計量をパスするアマチュア選手もいます。(ただし、この場合、体重を戻す時間があまり取れないので、パフォーマンスが低下するリスクも含んでいます。)
結論
いかがでしたでしょうか。ダイエットは身体づくりのためのもの。減量は試合に出るため、勝ための体重調整であり、リバウンドを目的としているもの。大きく違いがあります。
ただし、どちらも共通して言えるのはまずは食事制限をし、トレーニングで筋肉を増やし、身体を作り上げていくものです。
減量の最終段階、水抜きは筋肉量が多くなければそもそも身体に含んでいる水分量が少ないので水が何kgも身体から抜けることはありません。しっかりと身体を作り上げるダイエットをしてから減量に移るのです。
逆にダイエットにおいてはサウナスーツなどを着込んで汗をかいて体重を減らしても水を飲めばすぐに戻るので全く意味はありません。
体重ばかり気にせず、発汗による体重減少に喜ばず、コツコツと摂取カロリーを減らして消費カロリーを増やしていく他近道はないのです。
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