習い事としてのキックボクシング

非日常が全てに通ずる心を育てる

格闘技をお子様の習い事として選択する上でいくつか悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?今回は「習い事として格闘技ってどうなの?」というところに焦点を当ててご紹介します。

格闘技って危なくない?

格闘技を習い事として選択する上で1番の心配はケガや危険性です。

キックボクシングはコンタクト競技です。それ故に勿論怪我を全くしないわけではありません。しかしながら、骨折など大きな怪我のリスクというのは他のスポーツとそれほど差がないと思われます。その理由か下記の通りです。

1、大会などでは体重、実力を合わせて実施する。

初めて試合に出る子と5年ほど経験のある子とでは大きな実力差があります。体格差も学年が違えばかなり変わってきます。10kg体重差があれば攻撃を受けるだけでも大きなダメージになりかねません。そこで、大会では対戦相手のキャリア、体重を合わせ、同じ体格で、同じくらいの実力の選手同士で試合が行われ、安全性第一で危険な技は全て禁止。泣いたり、怖くて固まってしまっている場合はすぐにストップをかけるよう徹底されています。

2、防具の着用

練習のスパーリング(実践練習)でも試合でも膝、脛、頭はサポーターを着用し、身体に大きなダメージがないように考慮されています。経験の浅い子は練習でボディプロテクターも着用可とし、完全防備で参加可能です。

3、危険部位への攻撃禁止

キックボクシングルールでは顔面への攻撃があります。しかし、危険な箇所である後頭部への攻撃は反則とされており、顔面部分に関してもヘッドギアを着用しているため、剣道などよりも衝撃は小さくなります。 その他、金的への攻撃や顔面への膝蹴り、倒れた相手への攻撃などの危険な攻撃は禁止されています。

以上のことから実践を伴っても他のスポーツとリスクに大きな差はありません。野球でボールが体に当たってしまう、サッカーでぶつかり、強く転倒する。そういった危険なシーンはどのスポーツにおいても起こりうることです。格闘技だけ特別骨折が多い、大きな怪我をするといったことはないと考えます。(現状練習で大きな事故はありません)(実戦は強制ではありません)

格闘技を習って何になるの?

格闘技を習って何が良いのか?これについては「いざという時の護身のため」や空手などでは「礼節を学べる」などとよく言われます。勿論、これらも大事な要素ですが、もっと重要なことが学べると考えています。

1、強い人間ほど人に優しくできる

練習を重ね、強くなる過程でたくさんの痛みや苦しみを知ります。強い攻撃を受けた時に痛みや恐怖を感じ、試合に出るために場合によっては少しの減量という我慢をしないといけないこともあります。初めて人にパンチ、キックをする、特に顔面にパンチをするというのは思った以上に殴る方も怖さがあり、気を使うところでもあります。そういったことを乗り越え、実力を研鑽していく過程で先輩に優しくしてもらったり、後輩のために我慢をして優しく攻撃をしたりすることも多々あります。そんな中で、自分も優しくしてもらった、自分も怖かったから優しくしないといけない、自分も痛いのをよく知っているから経験の浅い子に強くすることはできないという気持ちが目覚めてきます。これが痛みを知る人間は優しい所以です。

2、非日常を経験することで足るを知る

普通に生活していると人を殴る、蹴るという行為をしたり、逆に殴られ、蹴られということもありません。決して憎いわけではない相手に攻撃し、攻撃されるというのは精神的にストレスがあります。こういった感情は他のスポーツよりも強く感じることがあるのが格闘技です。そして、試合に出る場合、体重制限による減量をし、大好きなおやつを我慢したり、走ったりしないといけないこともあります。こういった非日常を経験することで、日頃の生活はどれほど幸せなことなのか、どれだけありがたいことなのか学ぶことになります。特に成長して中高生になった時、日頃の生活の幸せをしっかり感じれていると、感謝の気持ちを持ち、その気持ちを軸として何事にも意欲的に取り組めるようになれます。

当ジムの指導の軸

トータルフィットネス繋ではキックボクシング、空手どちらのキッズクラスでも指導の軸にしていることがあります。それは「重ね重ねの精神」です。同じ90分の練習時間でも取り組み方で価値は大きく変わります。

試合を目指す子、プロを目指す子、運動神経をよくしたい子、親御さんの意向で来ている子

みんな目的は様々ですが、まず、ここに来て練習できることや試合に出れることはお父さん、お母さんのおかげであるということをよくお話しさせてもらいます。習い事に行けて、大会に出れることは当たり前のことではないということ。これも足るを知るということですが、それは幸せなことであるという認識を少しずつ理解してもらい、感謝の気持ちで一生懸命取り組んでもらいたいと考えています。

試合に出る子もそうでない子もその日、その月の目標を持って取り組むことで1年経った時には大きな変化が出てくるはずです。人生は1日1日の積み重ね。日々の練習をなんとなく無駄にすることのないよう、子供たちには定期的にお話をさせていただいています。

形だけの礼節ではなく、内面的な姿勢が育つよう技術だけでなく、精神論も指導する。

それが「全ては繋がっている」をコンセプトにしたトータルフィットネス繋の方針です。